開局を夢見る薬剤師の独り言

医療用医薬品、OTC、漢方薬(中医学)、ハーブを極めるべく日々ゆっくりと学習中。目標は30歳までにある程度満足できる仕上がりにすること。

ピロリ除菌における喫煙、胃酸の影響について

 ピロリ菌の一次除菌といえば

 

プロトンポンプ阻害薬PPI or P-CAB)

●アモキシシリン(AMPC)750mg/日

クラリスロマイシン(CAM)400mg or 800mg/日

 の3セットですね。

 

 先日、タケキャブ20mg、アモキシシリン750mg、クラリスロマイシン400mgで、喫煙歴がある方への処方がありました。

 過去にランサップ400と800の使い分けが喫煙の有無という噂を聞いたことがあったためクラリスの販売元である大正富山製薬に電話質問をしたところ、ピロリ除菌におけるクラリスの用量における有意差はほとんどないとの回答をいただきました。

 

 であれば、ランサップでの噂はなんなのかということで、ランサップの添付文書・インタビューフォームを見てみたところ、添付文書の薬効薬理にそれらしい記載がありました。

クラリスロマイシンの抗菌力はpHの影響を受け、酸性では中性に比べて減弱する。一方、アモキシシリン水和物はクラリスロマイシンと比べてpHの影響は少ない。」

 

 また、厚生労働省のHP(胃潰瘍 | e-ヘルスネット 情報提供)にて、喫煙による胃への影響について記載がありました。

「喫煙は胃酸の分泌を多くするため粘膜に対する攻撃因子となり、同時にニコチンが粘膜の血流を妨げるため防御因子を低下させるという二重の意味で悪影響を及ぼします。喫煙者ではヘリコバクター・ピロリ(後述)の感染率が高くなるというデータもあります。」

 

 以上より考察をすると、

喫煙をしている場合、胃酸過多傾向によりクラリスロマイシンが400mg、800mgであろうが同様に除菌率を下げる

といったところでしょうか。こう考えれば、クラリス400と800による有意差がないという製薬会社の返答にも納得がいくはず・・・。

 

 どちらも喫煙した時に出る反応であるため、ピロリ除菌を行う7日間だけでも禁煙を徹底した方が除菌率を高めることができると考えられます。(色々を含めると、そもそも禁煙をしていただく方が良いとは思いますが・・・)

 また、PHを上げることを考えると、空腹時より食後の方が高いため、食後30分以内の服用を徹底していただくことも重要と考えられます。

その他、医師の考えにもよるので薬剤師として提案する機会は少ない気もしますが、PPIとP-CABを比較するとP-CAB(タケキャブ)の方が効果が現れる時間が早いと言われていることから、胃酸分泌抑制薬はボノプラザン(商品名:タケキャブ)が理想的な感じもします。PPIで選ぶとしたら、個人差の大きいCYP2C19の影響が少なく、IC50の大きなラベプラゾール(先発医薬品名:パリエット)でしょうか。

 

 ピロリ除菌に関しては喫煙や服用コンプライアンスが除菌率を高めるために有用と考えられるため、薬局でしっかり患者様にお伝えして、一次除菌で退治しきれるようにしたいところです。
※除菌後、1~2か月で除菌判定を行うようですが、PPI等で胃酸分泌を抑制すると判定をマスクすることがあるそうなので、普段から胃薬を服用されているようなかたには、除菌後の胃薬の服用について医師から指示を受けているか確認することも重要です。